ワイン1本から保管!? 寺田倉庫の新戦略
2013.07.23 09:13 written by ishihara カテゴリ:発想転換のツボ|経営のヒント
アベノミクス効果なのか、今年のお中元シーズンは、高級品の動きがことのほかよかったと聞きますが、もしかしたらこのブログの読者さんの中にも「こんな高級ワインもらっちゃって、どうしよう(@_@。」などとお悩みの方がいるかもしれませんね。
じつは、トランクルームを運営する寺田倉庫が、そんなあなたにピッタリなサービスを始めたのをご存じでしょうか? その中も『テラダプレミアム』。ワインや美術品を最適な湿温度管理のもと、1つから預かってくれるというサービスなんです。
これまでは、保管庫ごと貸し出すスタイルだったため、ワインが約50本入るセラーで月額5~6千円ほど。絵画などの美術品用としては30~40cm四方のロッカーで月額4400円、1.5m四方のスペースで約7万円という保管料だったそうです。
今回あらためてその「単位」を見直して、1つから預かるようにしたわけですが、ワイン1本だと月額700円程度。25号サイズ(横70cm×高さ90cm)の絵画で月900円程度で預けられ、自分の好きな時に引き出せるのだとか。頂き物のワインを記念日に最高の状態で飲むためには、なんとも最適なサービスですよね(*^_^*)
同社の戦略を私なりに紐解くと、もちろんサービスの「単位」を見直して、マーケットを広げたことになるわけですが、と同時にビジネスモデルとして"なんとも賢い視点"が隠されていることにお気づきでしょうか?
このサービスをちょっと斜めから眺めてみると、「つい忘れちゃったマーケット」と紐づいていることがわかります(*^^)v
え? 何のことかって?? たとえば、携帯電話付加サービスとか、月定額制のダウンロードサービスとか・・・じつは大して使ってないのに、百円単位の課金だと、ついついめんどくさくて解約もぜず、何年間も料金を支払ってる・・・なんてことないですか? これが「つい忘れちゃったマーケット」です(笑)。
ワインも50本預けていればさすがに忘れることはないでしょうが、たった1本しか預けてない場合は、今年の結婚記念日に出しそびれ、そのままにしているうちに翌年も忘れてしまった・・・なんてことが起こるかもしれません。
もちろん、同社がそれを狙っているわけではありませんが、今、携帯関連ビジネスが、このマーケットのおかげで潤っていることは否めない事実です。ぜひこのことを、知っておいてください。
モノゴトはひとつの方向だけでなく、あらゆる角度から眺めてみることがとても大切で、それが私の提唱する「人称を上げる」ということでもあるのです。よかったら参考にしてください(@^^)/~~~