部下を持ったら必ず読む「任せ方」の教科書 「プレーイング・マネージャー」になってはいけない
2014.02.18 23:18 written by ishihara カテゴリ:おすすめ本の紹介
今回ご紹介するのは、ライフネット生命保険株式会社 代表取締役会長兼CEOの出口 治明氏の新刊です。以前、出口氏にはポッドキャスト『石原明の経営のヒント+(プラス)』の特別ゲスト版や私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の東京勉強会のゲストにもご出演いただきましたが、私がこれまで出会ってきた数多くの経営者の中でも、圧倒的な存在感をお持ちの方なんです(*^^)v
出口氏が醸し出すその圧倒的な存在感は、おそらく「人間という存在」への深い理解から生まれているんじゃないでしょうか。出口氏は無類の歴史好きで、本で読んだ史実を実際その場所に行って確かめたいからと、世界1300都市に実際に行かれたほどの好奇心と行動力の持ち主で、歴史を学ぶことを通して、人間への理解を深めてきたのだと思います。ちなみに、歴史上の人物で今一番好きなのはモンゴル帝国の第5代皇帝クビライ(フビライ・ハーン)だそうで、もしかしたら「世界征服」を狙ってるのかもしれませんね(笑)。
そんな出口氏が「部下への任せ方」をどんなふうに教えるのか・・・興味津々で読ませていただいたのですが、権限移譲のコツなどがものすごくスッキリとまとめられていて、まさに「教科書」と呼ぶにふさわしい一冊でした!(^^)! 組織運営に苦しむ社長さんの会社は、みな一様に経営が苦しいですから、ぜひそうなる前にこの本から「マネジメントの本質」を学び取ってほしいところです。
先日私は、あるビジネス誌のインタビューを受けたのですが、それは「都合のいい人にならないためにはどうすべきか」といった内容でした。今、社会全体でコミュニケーションの本質がズレていることにお気づきでしょうか? たとえば、何か問題が起きたとき「人は変えられないが自分は変えられる」とばかり、他人を一切非難ぜず、すべてを自分で抱え込もうとする人が「いい人」だと思い込まされているふしがあります。
しかし、この論理を組織運営に持ち込むと、絶対にうまくいきません! 部下が起こした問題に対して上司が反省しているようでは、組織の統制が一切取れなくなってしまうからです(ー_ー)!! しかも、問題を起こしたその部下は、誰からもとがめられないので、一生変わることはありません。やはり、問題は周りが解決するのではなく、悩まなければいけない人に返すべきものなのです。
いい人になろうと「人に嫌われたくない論理」でいくと、なかなか本音を言えなくなってしまいますが、一人でも部下をもったら、今のいい人ではなく、将来のいい人をつくるべきなのです。しかし、問題を起こした部下を徹底的に指導するためには、上司にもそれ相応の人間力が必要となってきます。
そのあたりにイマイチ自信がない方は、ぜひ本書を深く読み込んでみてください。そして行間に溢れる出口氏の叡智・・・人+本+旅から学ばれてきた本物の人間学を肌で感じ取り、出口氏の思考の深さを楽しむところから始めてみてはいかがでしょうか(@^^)/~~~