ブログ「石原明の経営のヒント」

宅配ピザが「お持ち帰り」でもう1枚無料!?

暑かった夏も終わろうとしていますが、先日出張先のホテルで、夜中に何気なくテレビをつけたら「ドミノピザ、お持帰りでもう1枚無料!」というCMが流れてきました。宅配ピザって意外とよいお値段で(笑)、夏休み中の子どもたちにとっては、ピザを注文できる日は「特別な日」だったりしますよね(*^_^*)

そのピザが「もう1枚無料」なんて、ちょっと夢のような話ですが、職業柄、ビジネスモデルの裏側を読むのが習慣となっている私は、「うまいこと考えたなぁ~」と感心し、それに刺激されて脳がグルグル動き出し、朝方まで眠れなくなってしまいました(笑)。


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どうして私が眠れなくなったか・・・いまいちピンと来ない人のために解説しますが、この何気ないキャンペーンが、業界のビジネスモデルを丸ごと変えてしまう可能性すらあるからです。

考えてみれば、宅配ピザの価格設定には、配達スタッフの人件費、バイクの維持費+燃料費、保険料などなどが含まれているわけで、店舗まで取りに来てくれるなら、その経費が丸々いらないわけですから、1枚無料にしても、決して損はしないはずなんです。

もっというと、このキャンペーンが浸透して、お客さんに「取りに行く」という習慣が生まれれば、車が止めやすい便利な場所(たとえば、ショッピングモールの一角とか)に、テイクアウト用の窓口だけある小型店舗を増やす・・・みたいなビジネス展開もアリでしょう。

このキャンペーンによって、消費者の習慣づけができると考えれば、短期的に利益率が落ちても、将来的には十分な"おつり"が来るはずです。お客さんを喜ばせながらマーケットを動かすって、こんな感覚なんですよね(*^^)v 

そういえば、以前、私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の勉強会のゲストに、「フレッシュネスバーガー」の創業者である栗原幹雄氏をお呼びしたことがありましたが、そのフレッシュネスも、今年(2014年)6月、品川区に初めて「持ち帰り&宅配専門」の店舗を開いたようです。

東急目黒線武蔵小山駅からほど近い場所のお店ですが、もともと25席しかない小型店舗だったので、調べてみたら約5割のお客さんが「テイクアウト」していたそうです。だったらそれに特化しようと、客席をつぶしてバイクの駐車場にし、『FRESHNESSホームデリバリー』という業態を生み出しました。

初月から売上げ2割増という好調ぶりを受け、多店舗化も視野に入れているそうですが、従来の店舗より小さなスペースで出店できるので、賃料が抑えられる分、利益率の高いモデルになりそうです。

こんなふうに、成熟市場においても、経営者の発想しだいで、まだまだ売上げも利益も伸ばせるはずです。この事例を参考に、楽しく発想を拡げてみてください(@^^)/~~~

経営コンサルタント石原明 公式サイト 石原明.com
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