0秒リーダーシップ 「これからの世界」で圧倒的な成果を上げる仕事術
2016.09.21 06:38 written by ishihara カテゴリ:おすすめ本の紹介
今回ご紹介するのは、あのグーグルのアジアパシフィックで、人材育成と組織開発をけん引してきたピョートル・フェリークス・グジバチ氏の処女作です。
ポーランドに生まれた彼は、ドイツ、オランダ、アメリカで暮らした後、2000年に来日したそうですが、日本人と相通じる大変細やかな感性の持ち主で、日本人より流暢な日本語を話す素敵な人物なんです・・・なぜ、そんなことがわかるのかと言うと・・・じつは、今月(2016年9月)7日に開催された私の主宰する『高収益トップ3%倶楽部』の東京勉強会に来てくれて、懇親会まで参加してくれたんです(*^^)v
現在は独立して2社の経営者となり、国内外の多国籍なメンバーやパートナーとともにグローバルなビジネスを展開しているピョートル氏が考える「リーダーシップ」とは、決して肩書きや役職によるものではなく、他者に対する『影響力の行使』なのです。
たとえば、会議中にその人が発言したことによって議論の流れが変わったり、部下の提案によって、上司の考え方が変わったり・・・つまり、いかなる立場の人でも「リーダーシップ」を発揮できる場面はあるもので、これからの時代は、ただ言われた通りに働くだけではなく、自ら考え、自ら動ける人物でないと成果を発揮できないというわけです(*^^)v
そのためのキーワードを「0秒」とした本書には、個人がリーダーシップを発揮するために役立つ様々なアプローチがとてもわかりやすく紹介されているのですが、「あとがき」の内容はとくに、私の心に刺さりました(#^^#)
ピョートル氏が生まれた1975年当時のポーランドは、共産主義でソビエト連邦の影響下にあったわけですが、1983年までは世界各国がポーランドに対して経済封鎖をしていました。そんな中、彼は人口50人の山の中にある小さな村で育ち、まわりには大学はもとより高校を卒業した人さえいない環境にありながら、読書家だった父と兄のおかげで、とても勉強好きな青年になったみたいです。
共産主義の国では、学力より「労働力」が優先され、職業学校を卒業すると、国から仕事が保障されるにもかかわらず、自ら高校への入学を決めた彼に対しては、親戚や友人から冷たい視線が集まっていたそうですが、本やニュースから情報を得ていた彼には「そのうち、共産主義が終わるんじゃないか」という直感があったと言います。
「もしポーランドが資本主義になったら、教育が大事になる! とくに外国語が話せれば、海外に脱出するチャンスだってあるかもしれない!!」
そんな直感を信じて、ことさら熱心に学び続けた結果、今日の成功があるわけですが、母国が崩壊する恐怖にさらされながら、真実を見つめ続けた彼ならではの視点や思考は「これからの世界」で大いに役立つことでしょう。
数々の書籍が彼の人生に光を差したように、この本が未来を担うビジネスパーソンに大いなる気づきを与え、明るく照らし続けることに、壮大なドラマを感じてしまいます。時に読書の秋・・・気になる人はぜひ手に取ってみてください(@^^)/~~~